現在、世界のアーモンド生産量の80%以上を占めているのはカリフォルニア。
あまり知られていないのですが、そのカリフォルニアにアーモンドの苗木を伝えたのは、マヨルカの宣教師ジュニペロ・セラ(Junípero Serra)です。
マヨルカアーモンドが海を渡り、カリフォルニアの地に根付いて、全世界で食べられる食品になったわけです。
ジュニペロ・セラはマヨルカ島のペトラという村で生まれ、当時スペインの領土となっていたアメリカ大陸にキリスト教を伝えるために派遣された宣教師です。
フランシスコ会の命により、福音を広めるために教会を中心とした集落(ミッション)を建設、そこで布教を行うことに一生を捧げたジュニペロ・セラは、そのキリスト教布教においての多大なる功績と模範的生活が認められ、聖人として名を連ねています。
また、現在UNESCOの世界遺産に指定されている「ケレタロ州シエラ・ゴルダのフランシスコ会伝道所群」は、彼によって設立されました。
そして、カリフォルニアにも9つのミッションを設立。
北アメリカの創始者の一人として、アメリカ合衆国議会議事堂に銅像がある、唯一のスペイン人としても知られています。
聖ジュニペロの生涯については、こちらのサイトで紹介されています。
マヨルカに現存するジュニペロ・セラの生家
1713年マヨルカ島ペトラでジュニペロ・セラは生を受けます。
その生家は現在も残されており、その隣はジュニペロ・セラ博物館になっています。
博物館の入り口には、彼の功績をたたえて、アーモンドの彫像が飾られています。
カリフォルニアに渡ったマヨルカアーモンドですが、200年経った今、その風味や栄養価は全く違ったものになっています。
長年の歳月によって、カリフォルニアの気候や土壌に適した変化をしたとも言えますが、マヨルカアーモンドの高い栄養価と芳醇な香りと味は、マヨルカがどれだけアーモンドの生育に適している地であるかを明確に示しています。
マヨルカアーモンドの栄養価はこちらをご覧ください。
一人の偉大な聖人が、海を渡りもたらした小さな種は、広大なアメリカの地で花開きました。
今皆さんが口にされているアーモンドのルーツは、スペインの小さな島、マヨルカ島にあったのです。
普段食べているアーモンドとの違いを、確かめてみませんか?